HOME
商品情報フレーム
商品情報サングラス
商品情報レンズ
フレームの知識
レンズの知識
メガネの取扱い方
メガネの修理
幼児とメガネ
老眼鏡
ロービジョン
光学器(ルーペ)
補聴器
リンク


 フレームの知識 《表面処理2》 

メガネフレームの表面処理は、素材の腐食をふせぐためと フレームの装飾を目的に行われています。

■ フレームの表面処理

フレームの表面処理は、大きく分けてイオンプレーティング(IP)メッキ、 電気メッキ、塗装、の3つがあります。

表面処理の耐久性は、使用される人の環境(職種、生活、スポーツ、大気)、使用される化粧品(整髪剤の種類など)、体質(汗の成分や量)などによって、大きく左右され、同一の商品でも人によって耐用年数は大きく異なります。

 イオンプレーティング(IP)メッキ

イオンプレーティングとは、ほぼ真空にした釜の中でメッキ物質(チタン等)を加熱蒸発させてイオン化し、イオン化した所へ反応ガス(窒素、アセチレン等)を吹き込みます。この際、金属イオンと反応ガスによって硬質の金属化合物粒子(炭化チタンなど)が出来ます。これを負(−)の電圧をかけたフレーム(主にチタンフレーム)表面に衝撃的に衝突させて、硬質膜を生成させる方法です。

真空の釜の中では、イオン化した金属や反応ガス、生成した金属化合物が入り乱れて数千q/秒の速度で飛び交わっており、この中にメガネフレームが入ってきた時、激しく衝突して積み重なり膜となります。しかし、それぞれの粒子は目に見えない程極めて小さいので、膜の厚みは0.3〜0.5μくらいです。

イオンプレーティングは、メッキコストが高価なことと、カラーバリエーションが少ないことなど難点もありますが、密着強度は通常のメッキに比べてはるかに強く、純チタンフレームとイオンプレーティングメッキの組み合わせでは、ニッケルレスとなるため、アレルギーの心配が少なくなります。

メガネのメッキがすぐにダメになるとお悩みの方は、チタンフレームにイオンプレーティングをしたフレームを試されたら良いと思います。

 湿式電気メッキ

メッキ物質(金、ロジウム、パラジウムなど)を溶解した水溶液(メッキ液)に、陰極(−)に通電したフレームを入れます。この際、液中の金属(+)は、陰極に引っ張られてフレーム表面に付着し、金属膜が生成されます。この操作の繰り返しがメッキです。

フレームのメッキ工程

洗浄研磨剤、油分などを除去します。
脱脂汚れを完全に除去します。
活性化 金属表面の酸化物を溶解させて、素材の活性面を作ります。
ストライクメッキ 素材の活性化と同時に密着の良い膜を付け、この後に行うメッキの密着を強固にします。
下地メッキ 素材を保護し腐食を抑える目的で行われます。
仕上げメッキ フレームに装飾性(美観)を与える為に行います。

上記のような基本工程の間に洗浄工程などが入り、仕様によって30〜70工程の処理になります。

メッキの腐食・剥がれ

メッキは、耐蝕性・装飾性をよくするためのものですが、薄い膜のメッキでは、素材・前加工(研磨の不良等)の欠陥を補えず、ピンホール(小さい穴)が避けられません。こうしたピンホールがあると、汗や湿気などが穴から入り込み、下地の金属とメッキ金属の間で局部的に電気が流れます。そのために電気化学的腐食が起こって金属が溶解してしまいます。また、メッキ工程における洗浄、脱脂が不十分であったり、活性化が不足すると密着が不十分でメッキの剥がれを引き起こす原因となります。

このような事をなくす為に、下地メッキ・中間メッキ・仕上げメッキ等、多層メッキを施したり、メッキの被膜を必要に応じて厚くしたりしています。

メッキの良い悪いは、お客様が新品のメガネを見ても、まずわかりません。商品によっては、一部メッキ工程を省いたり、簡素化した商品は確かに存在すると思います。メガネをお買い求めになる時は、このような点にも注意されれば良いと思います。

 塗装

塗装による表面処理は、電着塗装溶や剤吹き付け塗装などがあります。電着塗装は、水溶性塗料中にフレームを陰極(陽極)として電流を通し、樹脂を電気化学的に析出させて乾燥焼き付けを行い、成膜させる方法です。溶剤吹き付け塗装は、圧搾空気によるスプレーガンで塗装します。(静電気を利用する方法もあります。)

メッキが金属被膜であるのに対して、塗装は一般的に、有機高分子(ペンキ、樹脂など)等で被膜することです。コストが安く、カラーバリエーションも豊富ですが、密着性や高級感では、湿式メッキに劣ります。


前へ← INDEX →次へ